泌尿器科と患者のプライバシー

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泌尿器科に通院する際に、プライバシーの部分で心配になってしまう人も少なくはないでしょう。
泌尿器科は排尿障害だけを診察する診療科目ではありません。
男性にとっては包茎や性病など、あまり人に知られたくない病気を診察することの多い診療科目でもあります。
万が一の話ですが、医師が自分のプライバシーにかかわる部分の情報を外部に漏らしてしまったら、大変ですよね。
医師も人間ですので、それが100パーセントあり得ないこととは断言できません。
実際に医療機関から個人情報が漏えいしたケースは存在しています。

しかし、100パーセントではなくとも、それに近いくらいの確率で病院からのプライバシー情報漏えいは、本来あり得ないことです。
「リスボン宣言」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
これは1981年にポルトガルのリスボンで行われた世界医師会総会において採択された宣言で、日本の医療従事者は基本的にこの宣言の内容を周知し、厳守しています。

ではいったい、このリスボン宣言とは具体的にどのような内容なのでしょうか?
リスボン宣言の内容とは、医療従事者が「患者のどのような権利を守るべきか」についての内容です。
患者の権利とは、自己決定権、選択の自由、良質な医療を受ける権利、などなど、さまざまなものがあります。
そしてそれら権利の中には「秘密保持に関する権利」と「尊厳性への権利」もあるのです。

つまり医師は、患者の秘密を外部に漏らしてはならない、患者の尊厳を踏みにじるような行為をしてはならない、ということを心得ていると言えるでしょう。
もちろん医療従事者といえども人間ですので、さまざまな人がいます。
中にはこのリスボン宣言の内容など全く重要視していない医師もいるかもしれません。
しかし患者の方がこのリスボン宣言の内容を把握しておけば、診察を受ける際に医師がリスボン宣言を厳守しているか否かの判断が可能となりますよね。

つまりまとめると、日本の医療従事者は基本的にリスボン宣言の内容を周知していて厳守しているので、プライバシーの心配をする必要性は非常に低いと言えます。
しかしそれでもどうしても不安が残ると言う場合には、患者自らがリスボン宣言の内容を把握しておき、それを厳守しているのか診察の際に判断し、相談相手として相応しくないと判断したら別の病院に通院すれば良いのです。
あまり敏感になりすぎる必要もありませんが、診察を受ける際に「危ないかもしれない」と感じたら、別の医療機関を探すようにしましょう。