女性の排尿障害と泌尿器科

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女性は男性と違い、排尿器と生殖器が別の器官として分かれています。
故に女性が泌尿器科にかかる場合、その理由となるのはほとんどが「排尿障害」です。
排尿障害とは、その名の通り排尿に何らかの障害が現れる現象です。
排尿に関わる疾患の全般を指す言葉であると言えるでしょう。
では実際に女性が泌尿器科で治療することの多い排尿障害とは、どのような疾患が多いのでしょうか?

まずは「尿失禁」です。
これは簡単に言うと、自分の意志に関わらず尿が出てしまう疾患です。
尿漏れとも呼ばれますよね。
女性には非常に多い疾患です。
基本的にはくしゃみなどでお腹に圧がかかった際にもれる「腹圧性尿失禁」と、突然尿意に襲われてそれとほぼ同時に漏れてしまう「切迫性尿失禁」がおおいですが、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の双方が合わさった「混合性尿失禁」を発症する人も珍しくありません。
生活改善や行動療法、内服治療などで治療することが多い疾患ですが、場合によっては外科手術を行うこともあるのです。
非常に厄介な病気ですので、早期治療を目指すべきでしょう。

次に挙げられるのが「頻尿」です。
これは単純に尿の回数が多い疾患と言えるでしょう。
習慣化してしまっていて、自分が頻尿であると自覚していない女性もかなり多いです。
目安としては日中に8回、夜間なら2回程度です。
これ以上の頻度であれば、ほぼ確実に頻尿と診断されます。
内服治療や行動療法などが有効な治療法と言えるでしょう。

最後に「過活動膀胱」です。
読んで字のごとく、膀胱の過剰な活動によって引き起こされる疾患です。
症状としては突然の強い尿意に襲われ、その尿意によって頻尿となったり、切迫性尿失禁を伴ったりします。
つまり尿失禁や頻尿などを含めた症候群なのです。

今回ご紹介した三つはあくまでも代表的な疾患です。
他にも性器脱や膀胱炎、尿勢低下、尿道のポリープなどなど、女性でも泌尿器科を頼るべき疾患は数多く存在しています。
排尿に関して何か異常を感じたり自覚症状があったりする場合には、女性であってもまずは泌尿器科に相談して間違いではありません。
もちろん婦人科などでも相談可能ですが、排尿に関してはやはり男女に関わらず泌尿器科の専門領域ですので、可能であれば最初に泌尿器科に相談すると良いでしょう。
女性の泌尿器科医のいる医療機関もありますので、もしも泌尿器科だと恥ずかしいという思いが強いのであれば、そのような医療機関を選ぶことがおすすめです。